●プラス
プラスドライバー(クロスドライバー)は、大きさを番号で呼び、1番から4番まであります。マイナスドライバーと同様に、軸のつけ根から先端までの長さと大きさの番号を組み合わせて呼びます。
例えば、「+No.2×100mmのドライバー」と表示されるわけです。
みなさんの中には、意外にプラスドライバーにサイズがあることを知らずに使われている方も多いのではないでしょうか?
それは、+No.2の大きさのネジを+No.1のプラスドライバーで回して回せなくはないからです。
つまり、ドライバーの先端の大きさのサイズ(大きさ番号)が多少異なっていても使えてしまうということです。しかしながら、こういった使い方をするとネジの頭をつぶしやすく、その結果トラブルが発生してしまいますので、正しいサイズにあったドライバーを正しくご使用ください。
ソケットで六角ボルトやナットを回すのと違い、ドライバーを使う時にはドライバーを回すだけでは使うことができません。つまり、押さえながら回さないと、ドライバーの刃先がネジの頭の外へ逃げようとしてしまうからです。
この現象を『カムアウト現象』と呼びます。カムアウト現象を起こすと、ネジの頭をつぶしやすいので、ドライバーを回す力に対して、押す力をもっと強くしないといけません。
またサビついて固まっているネジや固く締まっているネジは、通常のドライバーの使用は避けて、インパクトドライバーを使用した方が懸命です。インパクトドライバーは、電動ドリルにドライバービットを装着して使用するタイプがよく知られていますが、手動のものもあります。インパクトの構造は、ハンドルを握りネジを回す方向に手の力を加えながら、ハンドルの尻部をハンマーで叩くとその力が回転力に変化して、容易にネジを締めたり、緩めたりすることができるというものです。カムアウト現象を起こす主な原因は、使用ドライバーの大きさのサイズ違いという使用者の誤りというのが多いですが、ドライバーそのものの先端形状の精度が原因となることもあります。だからドライバーを購入する場合は、国内外の主要メーカーの信頼できるブランドを選んだ方がいいでしょう。
それではドライバーメーカーにはどういった所があるのでしょう?
日本のメーカーには、ベッセル、兼古製作所(ANEX)、宮本商事、ルビコン、トーコマ等があります。一方海外メーカーでは、スイスのドライバー専門メーカーPB、ドイツのハゼットとベラ、そしてアメリカのスナップオンあたりが有名なところです。しかし、ドライバーというものは、使用頻度が高く、人それぞれ手の大きさもフィーリングも違うわけですから、一度グリップを握ってみて、力が入れやすく、しっくりした感じの一本をご自身で選び出して下さい。
さて、数ある形状の中でも小ネジと言えば、まずプラス頭を想像するように現在の日常生活の中で一番よく目にするのがこのプラスネジではないでしょうか?
但し、プラスネジが世の中に普及する以前にはマイナス頭が主流となっていた頃もあります。マイナスネジは工具とネジの接触面積が小さく脱着作業の途中でネジの頭をなめやすいという欠点がありました。
この欠点を改良するためにオランダのフィリップス・スクリューが作ったものがプラスネジ規格のはじまりです。ネジの頭の形状と回す工具の先端形状に違いを持たせ、強く押さえ込むことで“くさび”の効果を発揮して作業性がよいというのが特徴でした。しかしプラスネジを回す時には回す力より押さえる力を大きくしないと自然とネジの頭から外へ浮き上がってくる“カムアウト現象”が発生してネジの頭をなめてしまったり、また回す工具のビット先端部が磨耗したり、変形しやすいといったデメリットも同時に広まっていったのも事実であります。
またバイクやクルマに使われているネジというものは、かつて+字のネジが主流でした。『でした』という過去形になっているのは、最近の外車は+字のネジを採用していないところが数多く見受けられるあるからです。それでは代わりに何を採用しているかと言えば、これが六角や六角穴付き(ヘックス)、ポジ、トルクス、スクエアという形状のネジです。より効率のよいトルク伝達を求めて、バイクやクルマの世界では、ネジの形状が工夫されてきたということがいえるわけです。
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