バイクやクルマをいじりはじめた時は、差込角9.5ミリのソケット数個にラチェットハンドル、メガネレンチとたいへん少なかったハンドツール。
しかし必要に応じて買い揃えていった結果、いつの間にかかなりのボリュームになってきたという方もきっと多いはずです。
またとりあえずは手頃な工具セットを購入したものの、さらに充実したセット内容を求めてツール類を購入した結果、
今ではあふれかえっているという方も多いのではないでしょうか?

そこで工具の点数が増えれば増えるほど、それらを収納するためのツールボックスが必要になってきます。
また工具の点数が多ければ多いほど、 当然必要なツールボックスも大きくなります。

ただ収納するだけという面においてはどんなものを選んだところで特に問題はないのですが、もしツールボックスの中に所狭しとツールをゴチャゴチャと入れていたなら必要な時に必要なツールをさっとピックアップすることができません。このような収納をしているとメンテナンスの作業効率というものが全く上がりません。そこでツールボックスを選ぶ際には、収納と整理の両立を図れるものを選ぶ必要があるわけです。

そもそもツールボックスといっても、この世の中には実にさまざまなタイプのものがあります。基本的なバリエーションとしては、

●引き出し型(ツールチェスト)
タンスの引き出しのようになっている引き出し型。引き出しが2つしかないものから10個以上あるものまで様々です。

●オープントップ型
引き出し型に比べてよりコンパクトで軽量であることがセールスポイントのオープントップ型ではありますが、これらの中でも金属製とプラスチック樹脂製のものがあります。耐久性に優れる金属製と極めて軽量な樹脂製というのが一般的な特長ではありますが、樹脂製のものも工具を入れることを前提に考えられた設計であれば耐久性に大きな問題はありません。ただしホームセンター等でよく見かけるパーツケースや汎用ケースを工具用に流用することは耐久性という点では問題が残ります。当然ながら工具もまとまると相当な重さになります。

●壁掛け型
観音開きのドアを持ち奥の壁にフックが並んでいて、そこにツールをひっかけるものやツールの形をした影絵に合わせてツールをひっかけて、その表にはスライドシャッター付きという壁掛け型。

軽量コンパクトなオープントップ型、
上写真は品番982020。

収納レイアウト 例


壁掛け型ツールボックスの設置例。写真は、Pro-Autoスペシャルユーザーである黒山エンジニアリングの工作室の一部です。ハンドツールから専用工具まで整然と収納されています。

上記のようなツールボックスを大きく分けると移動(持ち運び)を考えたものと、考えていない定置用(据え置き型)の2種類に分類できます。

オープントップ型が移動用に対して、引き出し型と壁掛け型は、定置用というのが大前提です。

壁掛け型というものは収納と整理という面はとても優れています。しかしこれらを置くためには十分な余裕のあるガレージが必要となります。アメリカの場合には、バイクやクルマをメンテナンスするだけの十分なスペースがあることが多いようですが、日本の場合には余裕のあるガレージどころか、都心部においては(それ以外の場合でも)駐車場ですら確保するのが大変な現状からいっても、この壁掛け型というのはあまり一般的ということはできません。

通常の使い方としては、しっかりとした引き出し型に全アイテムを収納して、持ち運ぶ必要が出た時にはその都度必要なものだけをオープントップ型に小分けして移動するというのが基本です。但し、所有する工具アイテムがそれほど多く無い場合は、オープントップ型のみでも十分でしょう。

しかし何と言っても現在の人気の主流は、引き出し型のツールチェストと呼ばれているものです。しかしどういったタイプをどう使うかということに関しては、個人的な好みだけで選択しても大きな間違いではありません。

それでは現在、人気の主流である引き出し型のツールチェストについてもう少し詳しく説明します。
引き出し型のツールチェストは、オープントップ型に比べて収納力が高く、また整理しやすくて見栄えもよいといったメリットがある反面、その分いろいろな工具を入れすぎ、重くて持ち運ぶことができないという事も考えられます。やはり持ち運びのことを考えるならば引き出し2段タイプで上部に把手がついているタイプ、当社のもので言えばアイテムNo.983020N(※1)をお勧めします。このタイプでツールボックスのみの重量が約6キロ。その中に工具を収納して20キロ前後。おそらく20〜25キロぐらいが持ち運びする限界ラインと言ったところでしょう。

引き出し型を選ぶ場合の注意点としては、まず引き出しを支えるレールの精度と耐久性が十分か、そしてスムーズに動くかどうか、という点が挙げられます。また鋼板自体の厚みとプレート部分の折り返し構造がゆがみを防止して、強度面においても大きな違いが現れます。一見同じように見えるツールボックスでも細かい部分に対して真面目に設計され、また優れた素材等を使って製作させた製品とそうでないものでは大差があるということを忘れてはいけません。


※1ツールボックスNo.983020N 。持ち運びのことを考えれば2段引き出しタイプがお勧め!これで重量約6キロ。中に工具を入れる事を考えるとば常時持ち運びするには限界ラインといったところでしょうか?
また引き出しの両サイドにローラーベアリング構造を採用しているのもあります。これは通常の引き出しのレールの動きとは全く別物という感じです。まさに指先一本だけで簡単に開け閉めする事が出来ます。特に引き出し内に重いものを入れた場合には、その違いはとても大きいと言えるでしょう。

当社のツールボックスアイテムNo.983060(※2) は、軽くスムーズなスライドのベアリング式を採用し、またフロントパネルがかぶさるロック式のため、引き出しの保護と盗難防止、さらにホコリや湿気等からツールを守ることができるというメリットがあります。

※2 ツールボックスNo.983060 6段引き出しタイプ。
下部3段はベアリング式を採用しています。

指先一本だけで簡単に開閉することができます。

上写真は、ローラーキャビネット(No.GT-0003)にツールボックス(No.983060)を乗せた状態です。見栄えもよくまた収納力も十分。
さらに引き出しにローラーベアリング構造を採用しているものには、ツールチェストだけではなく、究極の収納ボックスと呼ばれるローラーキャビネットがあります。

オーソドックスな使い方としては、ローラーキャビネットの上にツールチェストをのせて使います。見栄えもよく、気分はまさにプロのメカニックという感じです。

基本的な収納方法としては、上段にはツールチェストに入らなかったツール、
中段には計測機器のゲージ類やトルクレンチ、さらに下段には重いツールやインパクトツールやエアツールや各種プ−ラ−類を収納します。しかしツールチェスト、ローラーキャビネットともにどこにどのようなツールを入れるかは、その人の好みや使い方によって異なります。ご自身が使いやすいように、よく使うものほど出しやすく見やすいところに整理しておけばOKです。

ただ一つだけ優先しなければならない鉄則があります。それは重いものほど下の方に入れるということです。もし重いものを上に入れると非常に不安定になり、移動の際には持ちにくいし、据え置き用にしてもひっくりかえる恐れがあるからです。
もし工具満載のツールボックスが倒れると大惨事になりますのでくれぐれも注意して下さい。これと同じ理由から引き出しを一度にニつ以上開けないことも大切です。やはりバランスが不安定になる恐れがあります。

またツールボックスの引き出し底面には、
保護マットを入れておくことをお勧めします。保護マットなしでツールボックスを長期間使用するとツールが擦れて、塗装面がはがれてしまったり、はがれてしまったところから錆び出したりすることがあるからです。つまり保護マットは、ツールとツールボックスの両方の保護になります。
ツールボックスというものは、大は小を兼ねるという性質のものではありません。
ご自身が主にどういったコンセプトで使うかが大変重要になります。これらを間違えるとかえって邪魔な存在にもなりかねません。今持っているまたはこれから揃えようとする工具の数、移動用なのか定置用なのか、あるいは置き場のスペース等を考慮してご自身にあった最適なものを探し出し、工具とともに長く使えるものを選んで下さい。一流メーカーのツールボックスは、ある意味では工具よりも高価ではありますが、一度購入すれば非常に長く使うことができますし、愛車をメンテナンスする自分だけのツールを収納するものですから、整然とわかりやすく収納した方が当然作業の能率も上がります。

そこで、みなさんはツールボックスの中に、どのように工具を収納していますか?お手持ちのツールの点数が増えれば増えるほど、その収納方法について気を付けなければなりません。万が一、所狭しとツールをゴチャゴチャと入れていたなら、必要なツールをさっとピックアップする
ことができず、メンテナンスの作業効率というものが全くあがりません。どこに何があるのか、一目で確認できるような工夫、特にソケット等の
小物に対しては十分気をつける必要があります。差込角・サイズを無視してバラバラに入れてしまうと、必要な時に目指すサイズがすぐに見つ
からずに、いらいらしてしまうことでしょう。そんなことにならないために、ハンドツールをきちんと収納する便利なツールホルダーについて
紹介します。

まずは、ソケットの整理のためのツールホルダーです。当社では、ソケットハンガーユニットと呼んでいます。オーソドックスなものは、スチール製のレールにオメガ(Ω)形状のクリップをつけたものです。 レールの長さも、200mmぐらいから400mmぐらいまでいろいろと揃っており、クリップについても1/4インチ、3/8インチ、1/2インチ用があります。

使い方はいたって簡単で、オメガ形状のクリップにソケットの差込角部をいれることでホールドするというものです。有名メーカーのものと、そうでないものも、ホールドの具合が少しきついか緩いかで、基本性能について大差はありません。今では、ホームセンターや量販店でリーズナブルな値段で手に入れることもできます。もしソケットをバラバラに入れている方には、絶対におすすめできる商品です。
 
左写真は、オーソドックスなソケットハンガーユニット、右写真は、ソケットバネといわれるオメガ状のクリップ。今ではホームセンターや量販店で手軽に入手出来ます。 ソケット類の整理のための必需品。

※3 マグネチックオーガナイザー(アメリカ製)
またソケット使用の前後に、そのつど入れたりとったりするのがわずらわしいという人のためにすぐれものを紹介します。 マグネチックオーガナイザー(※4)という便利なものです。これは、樹脂性の本体にソケットを収納できる穴が数個あいていて、その裏側に磁石が付いているために、ソケットが落ちたりしないというものです。これは、本体ごと磁石に反応するものであれば、どこにでも付けることができるというメリットもあります。価格の方は、スナップオン(Snap-on)の磁石付きソケットホルダーは、4,000円前後で販売されています。

次にレンチ類やドライバーのツールホルダーについて紹介します。

まず、当社のアクセサリーハンガーユニット(※4)です。
これはソケットハンガーユニットと同じように、スチール製のレールにコイル状のバネがくっついているものです。ドライバー、ペンチ、ラチェットハンドル等多くのアイテムに使用でき、整理がよくまた見栄えの方もよく、また1,380円とお求めやすい価格も見のがせません。

他には、スナップオン(Snap-on)のハンドツールオーガナイザーやハゼット(Hazet)のツールホルダーというものがあります。これらは、レールの上にU字状の樹脂パーツが何個か付いていて、その間にレンチをはさんだり、差し込んだりして使うものです。主に壁面に取り付けて使用しますが、長さの短いものであれば、ツールボックスの中で使用することもできます。


※4 アクセサリーハンガーユニットの使用例

※樹脂製ツールホルダー
ご自分のツールボックス内の整理が悪いと自己認識している方、またツールホルダーといったものに縁のなかった方、ぜひいずれかをお試し い。愛車をメンテナンスする自分だけのツールですから、整然とわかりやすく収納されていた方が作業の能率もあがり、よりいっそう愛車いじ
りが楽しいものとなることでしょう。